オレンジフェリー
何もかも捨ててこのフェリーに乗れば、明日の朝には大阪南港につきます。
あの時の私にはそれすらできませんでした。
あの時何も考えずにフェリーに身を任せていれば・・・、その後悔とも懺悔ともとれる気持ちは20年以上たった今もしつこくこの身を焦がします。
などと、アンニュイな文章も出てきてしまうほどに存在感を示しています。
西条市の東予港より夜10時に出向したフェリーは、平然と翌朝6時に大阪南港に我々を運んでくれます。
私の家と、西条商工会館との間に東予港はあります。夜、西条商工会館に向かうときは、いつも出港準備中で、私はそれを傍目に見ながら向かっています。どんな人が乗っているのか、希望を抱え乗っている人、そうでない人。いろんな感情をのせて大阪まで運んでいくフェリーの哀愁を夢想しながら。
いかん、なぜかフェリーの写真を見ながら書くとこんな文章になってしまいます。
こんなことを書こうと思ったわけではありません。
上の写真の手前の岩あたりの海はこんな感じです。
とてもきれいです。
あんな巨大なフェリーのすぐ下の海がこんなにきれい。
個人的な見解ですが、西条市は稀にみる工業と自然が共存している町だと思います。
ご存知石鎚山や、生態系の豊かな燧灘。
そんな自然豊かな場所に、上場企業の大きな工場が乱立しています。言い過ぎた。
でも、たくさんの工場があります。それぞれの工場が環境に対する取り組みをさまざまされていることかと思います。
自然を守りながら、工業の発展も同時に実現するには、これくらいがちょうどいい塩梅なのかもしれません。