一言
前職の時大きな売り上げを飛ばしたことがあります。
ちょっと忘れましたが、以前より年2回ほど発生する売上で、2回で1000万円程だったと記憶しています。平たくいうと他社に取られたわけですが、営業なので、取ったり取られたりは日常茶飯事です。でもこの案件は、取られた相手に言われた一言がなんとも刺さり今でも忘れることができません。
当時私は工業薬品メーカーの営業として働いていました。
中国地方を中心に数県を担当してましたが、その中のある造船会社のお客様で問題は発生しました。その会社にはロストした案件だけではなく、他にもいろいろとお世話になっており、高頻度で訪問していました。
そして取られた相手は、なんと私が勤めていた会社の関連会社。
その関連会社は、私とは違う部門でその造船会社へ入っていました。
常駐し、事務所もすぐそば、という感じで昔からその会社とともに成長してきた会社です。ちょっとわかりにくいですね。すいません。
取られた時期は、ちょうど他部門でのいざこざがあって、そのとばっちりという一面もありました。なので、会社から特にお咎めもなく、むしろ同情される方もいらっしゃいました。
もちろん、どんな事情があろうと、とられたのは担当である私の責任です。それに、ちょうど30歳頃で営業としては最盛期感もあり、のってた分油断していたのも事実です。取り返したるわ。ぐらいにも思ってました。
でも、やはり大変大きな数字です。上司とも相談し、その関連会社の社長と一席設けることにしました。いろいろな策を練りました。
が、結局物別れ。決裂です。
そして、その社長が去り際に私に言った一言が、私にとってはとても刺さりました。
「〇〇(前担当者)やったらどうしとったかの。」
なんでもない一言かもしれません。でも、前任ならなんとかできた。と私には聞こえました。
確かに前任者は先輩でとてもデキル人でした。でも、私も営業としてその先輩に負けず劣らずの気持ちでやってました。
そんな私の慢心を気づいてか気づかずかわかりませんが、最も効果的な一言をぶつけられました。
ほんと心底効きました。
この数年後に私はその会社を退社するのですが、その間、その屈辱をばねに、今まで以上に働いた記憶があります。
あれから15年たちます。
あの社長はまだ現役だとか。ただ、その下の人たちは離れていったとか。
お会いして思い出話でもしたいです。
ウソです。さすがに会えませんし、会って、その時のこと覚えてなかったらより凹んで立ち直れません。